かかりつけ薬剤師の仕事

地域密着型の薬剤師

薬局は医薬分業が始まってから、長い間患者さんへの服薬指導や調剤という役割を果たしてきました。
日本は高齢化社会になり、今後もますます高齢化が進むと予想されています。
その影響によって医療費は高騰しており、政府の財源を圧迫するまでになってます。
そのようなことから、早急に医療費削減が求められるようになり、国民に少しでも長く健康でいてもらう必要が出てきました。
そこで考えられたのがかかりつけ薬剤師です。

サプリメント

かかりつけ薬剤師は、その名が示すとおり、一人の患者さんにかかりつけで対応する薬剤師のことを言い、かかりつけ病院などと似ています。
服薬指導や調剤を、その患者さんに専門に行い、時には患者さんからの服薬や薬の効能についての質問に答えたり、薬の使い方のアドバイスなどをします。
また薬の効能や副作用が分からない中で、患者さんが勝手に薬を使ったりしないようにするために、薬の管理を行っていきます。

このようにして、患者さんに対して、薬の専門家として薬や健康全般のサポートをすることで、少しでも健康を維持してもらおうというのです。
ただかかりつけ薬剤師になるには、薬剤師であれば誰でも良いというわけではありません。
・薬剤師として3年以上の勤務経験がある
・薬剤師認定機構の研修を受けて認定を受ける
・医療関係の地域活動に参加していること
このうち地域活動とは、行政などが主催する講演会や研修会になります。
この条件があり、これらを満たしている薬剤師でないと、かかりつけ薬剤師にはなれません。

仕事内容

かかりつけ薬剤師になると、幅広い分野での技術と知識が求められ、患者さんの応対にも24時間体勢で答えないとなりません。
しかし時には対応できないこともありますので、その場合は他の薬剤師が対応しても構いません。
そして時には在宅対応し、薬を患者さんの家まで届けることもあります。
また患者さんの個人情報を扱いますので、データ管理も厳しく行わないとなりません。

ただし、かかりつけ薬剤師を作ればそれで良いということにはならないのです。
まずは地域と連携していける体制を構築していかねばならず、薬剤師の資質もかかりつけとして対応できるよう高めていかなければなりません。
そして24時間態勢で対応するときは、どのように対応するか考える必要があります。
医薬品も24時間態勢でどのように供給するかも課題です。

大きくぼんやりと出来たばかりかかりつけ薬剤師の制度であり、まだまだこれから模索が必要となります。
そして中には小さな薬局では対応できないと考えるところもあり、そのような薬局の扱いをどうするかも課題です。
24時間態勢となると土日も営業しないとなりませんので、個人薬局では対応できないでしょう。
何らかのサポート体制を作らないと、かかりつけ薬剤師は浸透しないかもしれません。