医療関連資格の中でもかなり高給
薬剤師として勤務をするためには、薬剤師養成課程のある大学で必要な単位を修了しなければいけません。
薬剤師養成課程は医学部と同じく6年となっているため、最短で習得をしようとしても20代なかばからの社会人デビューとなってしまいます。
そのため薬剤師の仕事で得られる給与の額は平均的に高めに設定されており、看護師や検査技師など他の医療関連資格と比較してもかなり優遇されています。
平均年収の額は平成26年度時点の調査で約531万円となっており、月収ベースでは約38万円です。
これは一般の会社員などと比較すると相当に高いといえるでしょう。
薬剤師としての勤務先にはいくつかのルートがありますが、その中でも最も高い水準となっているのが民間の製薬会社で、出来高制により800万円近くの年収を得ているような人も見られています。
卒業後のルートと年収の高め方
薬剤師として勤務をするときには、いくつかの求人から自分のライフスタイルにあったものを選んでいくことになります。
ただ学校を卒業したばかりの薬剤師はまだ臨床経験も浅くスキルも多く持っていないため、まずは病院内での製薬業務に就くルートが多く選ばれます。
もしくは一般の調剤薬局に勤務し、そこで接客や市販薬などの説明方法を学ぶということもよくとられます。
他にも薬剤師としての就職先にはドラッグストアや製薬会社などがあるのですが、そうしたところはどちらかというと既に薬剤師として何年かの実務経験がある人を優先的に採用する傾向があるのでいきなり新卒で就職をするということはあまりありません。
病院勤務の薬剤師のよいところは、大きな病院になると取り扱う薬品の数が多く臨床経験を豊富に積むことができるということです。
薬学部の在学中にも一般的な薬品の種類などについてはしっかりと学びますが、やはり実際の現場で取り扱う薬品の数は学習する内容よりもかなり膨大であるため、実務として覚えることができる経験は貴重です。
長く病院にいて臨床経験を積むという薬剤師もたくさんいるのですが、より多くの年収を得たいと考えるキャリアアップ志向の人ほどある程度知識が備わったところで転職をしていきます。
転職が珍しくない業界です
薬剤師にとって転職は決して珍しいことではなく、むしろ待遇をあげるために何度も転職を繰り返す人もよく見られます。
初任給や平均的な給与の額こそ他の仕事よりも高めになっている薬剤師ですが、公務員や銀行員のように長く同じところに勤務をしていれば自然にベースアップをしていくというわけではないからです。
むしろ看護師と同じように10年単位で務めているベテランと勤務歴数年の新人でほとんど給与が変わらないということもよくあります。
女性の場合などは20代~30代くらいで結婚をして一時的に退職をしてしまうことが多いため、病院側もそうした人への配慮から年功序列という制度はあえてとらないという事情もあります。
採用されて数ヶ月でコロコロと職場を変えるというのは極端過ぎますが、数年単位で転職を繰り返していても特に採用時に悪い印象になることはあまりありません。
とはいえ採用をする施設側としてもできればよい人材には長く働いてもらいたいと考えているところですから、待遇改善のための転職をするときもまずは今の施設と話し合いをしながら条件を決めていく努力はしてもらいたいですね。