リフィル処方箋

リフィル処方箋とは?

日本ではまだ導入されていない制度ですが、簡単に言うと患者が医師の再診を受けなくても、処方箋さえ持っていれば繰り返し薬局で薬を受け取れる制度です。
つまりは1度病院で処方箋をもらえば、それを使って何度も薬を受け取ることが出来ます。
すでにアメリカでは1951年にこの制度が導入されており、日本でも導入するかどうか検討が始まっています。

処方箋

しかし長い時間、1ヶ月など同じ処方箋で薬をもらっていると、その患者の病状が良くなっているか悪くなっているのか、病院にはわかりません。
そこで重要な役割を果たすのが薬を渡す薬剤師であり、患者の経過を観察し、問題があれば医師の診断を受けるよう促します。

薬剤師が定期的に患者さんのモニタリングをすることとなり、患者さんの容体がどうなのか把握する能力が求められます。
今までは薬剤師は患者さんに薬を渡すだけで良かったですが、リフィル処方箋が導入されると患者さんのバイタルまで把握せねばならず、情報収集するスキルを身につけないとなりません。
ただどこまで薬剤師が対応し、それ以上は医師に任せるか、この判断は難しいです。

患者さんの様子を定期的にチェック

リフィル処方箋が導入されると、患者さんの容体を薬局で定期的にチェックできるようになります。
薬剤師が介入することで、患者さんの容体の変化をいち早く知り、手遅れになるのを防げます。
しかし病院にとっては、診察回数が減りますので、診療報酬が減ります。

患者さんにとっては、薬をもらうための時間が大幅に削減できます。
今までは、同じ薬をもらうにしても、毎回病院に行って簡単な診察を受けて、処方箋をもらって薬を受け取っていました。
1度病院に行くと待ち時間が数時間ということも珍しくなく、これは大きな時間の無駄でした。
リフィル処方箋によってこの無駄を省けます。
病院を訪れる人も少なくなれば、外来患者の待ち時間も減り、スムーズな診察が行えます。

薬剤師の役割が重要となる

リフィル処方箋では、医師よりも患者さんは薬剤師と接する機会が増えますので、ますます薬剤師の役割は重要となります。
患者さんの状態変化を最初に察知するのも薬剤師となり、より能力の高い人物が求められるようになります。
当然患者さんも、数ある薬局の中から、一番利用しやすいところに行きますので、信頼や安心というのが今以上に必要となります。

今後は薬剤師は調剤のみを行えば良いと言うのではなく、その役割は多岐にわたってきます。
リフィル処方箋での立場もありますが、その他にもかかりつけ薬剤師や在宅医療での薬剤師など、今まで行ってこなかったような業務も行わねばならず、高い給料に見合っただけの様々な仕事をすることになります。