薬剤師のあるべき姿

薬剤師は患者さんとのコミュニケーションが必要です

薬剤師はかつては病院内にいて、診療が終わった患者さんに対してだされる処方箋をもとに薬を調合するだけの仕事でした。

そのため現場にいても実際に患者さんと接するような機会はほとんどなく、病院を訪れる患者さんたちにとってもその存在自体がほとんど知られていないというような仕事でした。

ですが時代が代わり、自分が受けている治療方法について患者側から積極的に情報開示を求められるようになってきたことで、医師による診断とくすりの処方は別々のものとして扱われるようになりました。

つまり現在の薬剤師は数十年前と比較できないほど大きな責任と多用なスキルを求められるようになっているということでもあります。

病院内の薬局でも調剤薬局のような専門の場所でも、患者さんに対して処方する薬品について詳しい説明をするとともに、使用方法について間違いがないように伝えていくことが義務です。

薬剤師

できる薬剤師はさらに一歩進んだサービス

薬剤師は一時期不足することが危惧されたこともあり、資格所有者が急増しました。

現在も医療現場における薬剤師の資格所有者は完全に足りているというわけではないのですが、それでも薬剤師同士での競争は以前よりも激しくなってきています。

調剤薬局などではよりきめ細かいサービスができる場所へと患者さんが選んで移るようにもなっているので、いかにして患者さんの求める説明やサービスができるかということもまた薬剤師としてのスキルとなってきます。

今求められている薬剤師の理想の姿としては、患者さんの様子を観察したり会話をしたりすることで、その人にあった薬剤を提供していくということです。

例えば同じような症状の方であっても、体質的に副作用が出やすい人や皮膚が弱くかぶれなどを起こしやすいといったこともあります。

そうした個々人の体質や好みなどに応じ、きめ細かく処方する薬品を変えていける知識や経験があるかということがそのまま薬剤師としてのスキルの高さにつながってきます。

患者と向き合う態度があるかどうか

薬剤師の資格を得るまでには長い学校での学習期間が必要ですが、そこで学べることは主に知識が中心であり、接客技術や観察力は自らが勤務の中で身につけていかなくてはいけません。

日本人は欧米の人と比較して挨拶や簡単な雑談をする力が不足している傾向があるようで、薬剤師として勤務をしている人の中にも時々「こんにちは」といった簡単な挨拶もしないような人がいたりします。

そうした態度は仮に本人が真面目な性格をしていても患者さんから誤解されやすく、不信感を生むきっかけになってしまいます。

これからの薬剤師のあるべき一つの姿として、きちんと自分は患者さん一人ずつに向き合っているのだということを示すことができる力も求められてきます。

対人スキルにあまり自信がないという人は、マナー教室やサービス業のためのセミナーに参加してみるということもおすすめです。