患者だけでなく一般の人との会話ができる
薬剤師が他の医療系資格と大きく異なるのが、必ずしも患者となる人だけを相手に仕事をするわけではないという点です。
病院に勤務をする医師や看護師の場合には、そこを訪れて利用をするのは基本的にはみな何らかの病状を持つ患者さんです。
ですが薬剤師として薬局やドラッグストアに勤める場合、もちろん既に病状を感じている人も来ますが、それ以上に今現在は健康である人が利用をしてきます。
特にドラッグストアのような小売業の場合、薬品だけでなく健康食品やサプリメントといった健康維持増進のための製品も多く扱われているので、そうしたものの中から本人の希望にあったものは何かをアドバイスしていく能力が求められます。
しかしそうした自分の健康上の不安などについての悩みというのは、第一印象として信頼感が感じられない人には相談しにくい事項であるため、常連として訪れる人を多く作るためにはまず薬剤師が見た目や話し方により信頼感を演出できるようにしていかなくてはいけません。
どういった施設で勤務をするにしても、まず見た目や第一印象に結びつく態度の良さがあるかどうかは薬剤師としての重要な適正となります。
薬剤師に必要なヒューマンスキルとは
薬剤師として勤務をするときに必要な能力のことを総称して「ヒューマンスキル」と言うことがあります。
「ヒューマンスキル」というと随分漠然としたイメージとなってしまいますが、具体例として挙げると上記で紹介したような話しやすさや第一印象の良さのほか、適切な薬学と健康に関する知識を持っていることや医療関連の仕事をするにあたって必要となる倫理観を備えていることなどとなります。
特に長く仕事をするときに必要になってくるのが倫理観や使命感で、人の生命に関わる仕事であるということを常に意識し、相談してくる相手を尊重してきちんと向き合うことができるかということが重要になってきます。
長く仕事をしているとどうしても業務内容が機械的になってしまい、相手の気持ちや状況などよりも目先の業務をこなすことが優先になってきてしまいます。
そうした人間を相手にしていることを忘れた業務は間接的に患者さんとその家族を傷つけ、治療の妨げとなってしまうので常に気持ちを引き締める自制心を持っていたいものです。