医療法で定められる職種の一つ
薬剤師は医療法で規定されている職業の一つです。
同じく医療法で定められている仕事には、医師・歯科医師・看護師・薬剤師の4つがありそれらは医療関連の資格の中でも最上位のものとして医療に関わる専門的業務を行うものとされています。
また薬剤師は別に「薬剤師法」という法律で業務について細かく定めがあり、薬剤師として勤務をしていく上で求められる倫理観や考え方などが記載されています。
なぜ薬剤師が医師や看護師と同じように医療系職務の最上位に位置しているかというと、現代における医療技術の目覚ましい発展により、大変にすぐれた効き目を持つ薬剤が大量に作られるようになったということが関係しています。
効き目の強い薬剤は同時に強い副作用をもたらすこともあり、病気治療として使用をするときにはその安全性についてきちんと説明を受けた上で正しく使用していかなければいけません。
複雑多様化する薬品類につき、専門的な知識を持つプロの立場からアドバイスをするのが薬剤師の最大の役目です。
病院内で処方をしていた頃と異なり今は薬は独立した調剤薬局で購入ができるようになっているので、より患者さんに近い位置からそうした役割を果たしていくこともまた大きな特徴です。
一生続けていくことができる資格業務
薬剤師という仕事の魅力としてもう一つ挙げられるのが、医療資格として一生続けていくことができるということです。
医師や看護師同様に資格を取得するまで長い時間はかかるものの、一度取得をすればそれを用いた仕事を一生続けていくことができます。
特に女性にとっては出産のために一時的に退職や休職をしなくてはいけない状況になっても、再び就職先を見つけるときに苦労をすることがありません。
家庭の事情で時短勤務をしなくてはいけない場合も、一般的な会社勤務や店舗勤務とくらべて資格が必要な仕事は時給額が高くなります。
同じ医療関連の仕事でも看護師と比較して夜勤や長時間勤務をする必要がなく、自分のペースで勤務ができやすいというところもまた大きな魅力であると言えるでしょう。
実際現在薬剤師の資格を所有している人の割合は女性の方が多く、長く勤務できる仕事を探すために薬学部を志望する学生も増加しています。
今後はチーム医療としての役割も増加
薬剤師の社会的な役割はここ数十年で大きく変化してきています。
かつては病院内で医師の処方する処方箋にしたがって薬を出すといった補助的な役割であったところ、調剤薬局やドラッグストアなど直接的に患者さんと話をしながら薬を提供するというサービス業的な側面が多くなってきています。
また近年では高齢者への介護対策として薬剤師の仕事がクローズアップされてきているところでもあります。
在宅で介護を受ける高齢者の住宅に薬剤師が訪問をしたり、場合によっては近隣の医療機関や介護施設と連携をしながらチーム医療の一旦を担う役割も重要となってきています。
今後も医薬品のネット販売など薬品に関する法律に大きな動きがあることも予想されており、薬剤師の社会的意義は大きくなっていくことが予想されています。